空想社会人日記

※フィクションです

Yとのこと⑧

モディリアーニを見に行った数日後、仕事で会った。
普通に接した。
この日のYは少しおかしかった。朝から少し不安な顔をしていたし、僕が指導することをすぐに理解できたような感じはしなかったし、ボーっとしていた。
仕事が終わりの時間になり、今日の振り返りをした。最初は頷きながら話をきいていたYが、急に固まりだしたのが横目に見えた。あれ?話聞いてる?って思ってYをみると、Yが泣いていた。え?泣いてる??
新人ができないことがあったり、やらかした時に泣いちゃうことはよくある。Yは全然泣き止まなかった。
泣き止まないから少し場所を変えて人目につかない所にいった。45分ぐらい泣いていた。僕はどうしたらいいか分からなくて変な話をしたり、話題を変えたりした。泣き止まなかった。

僕は泣いてるYがたまらなく愛おしくなった。
抑えられなくなって僕は「Yは俺のこと好きか?」聞いてしまった。
Yは「わかりません!」と泣きながら言っていた。
分からないよなぁ、そんなこと言われてもな
と思った
「でも上の方にはいます!」と泣きながら言われた。なんだか良くわからないけど嫌われてはないらしい。

「もし1年たって、俺のこと好きでいてくれたら付き合うか」といったらYは少し頷いた。ような気がした。

KとRがやってきて少し泣き止んだYを連れて帰ってくれた。なんで泣いたのかは良く分からないけど、もうちょっと優しくしないといけないなと思った。

僕は次の休みもYを誘った。Yは三連休だったから1日ぐらいなら会ってくれるかなと思った。

Yは漫画喫茶に良く行っていたって言ってたから、僕は行ったことがないから少し興味があった。

僕は周りに少しでも人がいると素直になれなくて怒りやすくなって良いことがないから、Yとちゃんと喋れる空間を用意したかったってのも理由の1つだ。

Yはまた二つ返事でOKしてくれた。こいつなんでもOKするな…


待ち合わせ場所にきたYは今日も可愛かった。僕はまた節目がちに挨拶して漫画喫茶に向かった。

Yの好きなものやみてきたものを体験して理解したかった。

漫画喫茶に入っておすすめされた漫画を持って個室に入った。

でも全然漫画は読まなかった。

2人でいろんな話をした、お互いの話。

Yは疲れてるのか眠たそうだった。

新人はなにかと身体的にも精神的にも疲れるだろうから僕は寝かせてあげた。

寝ているYも可愛かった。

う〜う〜とうなされていて可哀想だった。

僕はもうどうでもよくなって、別に先輩後輩とか職場の他の人がどうとか、もうどうでもよかった。

Yに「好きだよ」と伝えた。「Yは俺のことどう思ってる?」

Yは「分かりません!」「分からないですぅ!」って言ってた。
分からんし、どうしていいか分からんよなぁ
先輩に急にそんなこと言われても、メリットデメリットもあるし、すぐには答えは出ないよなぁと思った。

僕はどうでもよくなって、暴走していた。
「Yが好きって言ってくれたらチューできるのにな」「言ってくれないのか」とか言っちゃって調子乗っちゃって、気持ち悪い。死にたい。

その日もYは帰りたくなさそうにしていた。
Yに何かあったら死んでも死にきれないから早く帰らせないとと思う反面、一緒に居たいとも思った。帰りの電車の中Yはずっと僕の腕を抱きしめていた。恥ずかしいよ、人前で…。

「先輩の腕が恋しい…生きていけない」

ってラインがきた。

たぶん僕もおかしいけどYも充分おかしいんだと思う