空想社会人日記

※フィクションです

Yとのこと⑥

彼女と別れた僕は暇を持て余していた。やらないといけないことは色々あるけど
彼女と別れた僕は新しい僕の可能性を模索していた。新しい自分になりたかった。
Yなら僕を新しいステージに連れて行ってくれる気がした。
また、Yが僕に憧れていてくれるなら僕は憧れ続けられるように頑張るしかないと思った。

Yのことを心配しすぎておのずとYのことを考える時間が増えた。
それもYを気になってきた要因のひとつだろう。
僕は自分の気持ちが分からなかった。
Yのことが心配だからそれが転じて好きなのか、Yに対して興味があるからそれが転じて好きなのか、好きってなんだよ。こっちは7年間も同じ女と付き合ってきてそんな気持ちになったの久しぶりなんだよ

僕は、Yをリスカから遠ざけ、家から連れ出すためにも、自分とYの気持ちを整理、解明するためにも
おでかけに誘った。
モディリアーニを見に行こうと。
そもそも見に行きたかった。
Yは二つ返事でOKしてくれた、こっちはドキドキしながら誘ってんのに。
正直、職場の先輩、指導者としての境界を越える行動だと思うからすごくドキドキして誘った。断られたら次からどんな顔して会えばいいんだろう。まぁ別に普通に接することはできるけど。

僕は1週間前にディズニーに行っていた。プーさんのぬいぐるみをお土産に買った。Yがプーさんが好きでぬいぐるみが好きで一緒に寝ていることを知っていたから。でもディズニーは元彼女と行っていたから、プーさんのぬいぐるみを買う時「なんでそれ買うの?」って聞かれたときら縮み上がった。

Yが僕のことを好きかどうかも分からないし、わさわざ40センチぐらいのお土産買ってきたことに引かれるのも怖いし、帰り道に渡した方が荷物にならないし色んな理由でプーさんを駅のロッカーに入れて置くために待ち合わせの1時間前には現場入りしていた。
正直緊張しすぎて早起きしちゃったってのもある。
早めに行ってスタバで読書していた。このスタバが灼熱のスタバで節電していたのか知らないが全然涼しくなかった。汗をかきながら本を読んで、背中に汗ジミを作っていた。これからYに会うのに、すごく恥ずかしかった。
今思えば僕が緊張していただけかもしれない。

〇〇時に着きます〜って連絡がきて僕はプーさんと本をコインロッカーにしまった。

待ち合わせの場所にきたYはすごく可愛かった。でもそんなこと言えないし、恥ずかしいし、伏し目がちに挨拶をして何にも思ってないフリをして僕たちは歩きだした。