空想社会人日記

※フィクションです

謎の女:ミサキ②【面白くなってきたぜ…!】

 

ヨドバシカメラで話しかけられ、交換したLINE。


その翌日、ミサキから連絡が来た。

 

「昨日は、いきなりすみませんでした笑」
「大阪に来て友達が少ないのもあって、ついつい思い切って連絡先まで聞いてしまいました」
「昨日話したけど、本当にご飯とか誘っても良いですか?」

 

僕は、ガン無視した。正直めんどくさかったし、彼女にも申し訳ない気持ちもあるし。何より仕事が忙しかったのがでかい。仕事以外で知らない人と話して気を使ってエネルギーを消費したくなかった。

 


そして、約2ヶ月後の10月の最終日。
「こんばんわ‼︎また、いきなりすいません‼︎」とLINEが来た。

ちょうどスマホを触っていたため、既読せず何の用件か様子を伺った。10分たっても追加の連絡がないため返信した。

 

『あいよぉ』

 

もうどうでも良くなっている。どうでも良く無い相手にあいよぉなんて送らない。

 

「お‼︎返信してくれた笑笑」
「元気ですか?」

 

『めちゃめちゃ元気』

 

なぜ約2ヶ月もLINEを無視しといて急に連絡を返したのか。
それは僕の中で変化があったからだ。

 

たまにヨドバシカメラでのことを思い出してはミサキをのことを考えた。

あれは逆ナンでは無い。おそらくミサキは宗教の勧誘、マルチ商法の勧誘、高額商品を買わせてくる等の何らかの思惑があり声をかけてきたに違いないと考えていた。

 


少し仕事が落ち着き、余裕が出てきたときに思った。
もしミサキが勧誘目的ならあえてそれに騙されたフリをしよう。そんな体験めったにできないぞ!面白いかも!騙されたフリして起きたことが今後のトーク材料になるかもしれない!騙されてみよう!
そんな気持ちになっていた。

 

その後はLINEを続けたが正直面白くない女だった。

僕のLINEの画像の服装を褒め、メッセージのやり取りのなかで面白い!センスが溢れてる!と褒め。

肯定ばかりで気持ち悪いなと思って無視してたら、翌日には「その洋服おしゃれ、どこで買ったんですか」と服の話。

 

おしゃれ好きなのかと質問されたので
『おしゃれが好きなんじゃなくて、服を買うのが好きなだけ』と返答した。

 


すると

「買うのが好きなんやー」
「え?じゃあ服だけじゃなくて色々?」

 

 

キターーーーーーー!!!!!!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
♪───O(≧∇≦)O────♪

 

 

 

これは!!!
なにかしらの高額商品をおすすめしてくる!!!!
尻尾を出してこいミサキ!!!!

テンション急上昇である。

 

 

昂る気持ちを抑え
『色々とは…??』と返答する

 

「なんか、お部屋とか雑貨とかアクセサリーとか?」

 

『部屋は倉庫、仕事に行くための休憩地点みたいな感じだからなにも拘ってないよ』

 

「え?部屋は倉庫!?、そうなの!?」

 

 

 

ミサキィィィィィィィイイイイ!!!
期待させやがって!!!
何にもおすすめしてこうへんのかい!!!!
何でやねん!ビッグチャンスやったやないかい!!!

結局何にも高額商品をおすすめされなかったのである。
つまんねー女と思いまたもや無視。

 

 

その後も日を跨いで連絡あり。
・仕事頑張っててすごいね
・精神力と体力すごいね
・予定とか、計画、自己管理もすごいできそう

 

などなど、こっちのことを褒めてばかりでつまらない。別に褒めてほしいなんて思ってもない。こっちは騙されたいだけなのに。

 

そんなこんなで、まったく尻尾を出さないミサキ。

 

 

「ご飯誘っても良い?」と連絡あり。

 

 

キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!!
直接騙してくるタイプだ!
ワクワクした。

 

 

「私二郎系ラーメン行ってみたいんだ!」
「行ったことある?」

 

 

 

あれ????????????
二郎系ラーメン?????????
おかしいぞ?こいつもしかして本当に友達になろうとしている???
普通に考えて、宗教やマルチ商法の勧誘、高額商品を買わせようとする時に、二郎系ラーメンに行くか????

 

 

ここらへんから雲行きがおかしくなった。
てっきりインキャをターゲットにした詐欺に近いなにか騙す目的で近づいてきたのだと思っていたが、どうやら本当に僕と友達になりたいだけなのかもしれないという気持ちになってきた。

 

 

結局仕事の都合やなんやかんやあり、誘いを断り続け、連絡を無視したりたまに返したりしていると

 

12月の中旬
「今日は仕事?夜空いてる?」と連絡が来た。

 

 

この日の僕はなぜかテンションが高かった。たまーにやってくる『今日は無敵、なんでもかかってこいや』みたいなテンションだった。そのため僕はミサキの誘いに乗って、その夜食事をすることになった。

 

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謎の女:ミサキ①【これは逆ナンか…?】

これは謎の女、ミサキについての記録。
事実と僕の思ったことのみを記していこうと思う。


2021年9月。僕は仕事が21時前に終わりそのまま家には帰らなかった。向かったのはヨドバシカメラ。明日は休みだったので彼女と遊ぶためのボードゲームを買おうとしていた。

 

僕は遠足の時のお菓子を買うのにものすごく時間がかかる。限られた金額の中で最適解を見つけ出さないといけないからだ。購入するボードゲームを選ぶのにも時間がかかる。

 

たしか21時過ぎぐらいだったと思う。女性が話しかけてきた。

 

「あのーすいません。ボードゲームとか…こういうの詳しいですか?」
突然の出来事だった。僕は両耳にイヤホンを装着しATフィールドを周囲に貼っていたのにも関わらず、そのバリアをこじ開けて話しかけてきた。


『いやぁ全然、僕も最近知ったので…』とインキャ感全開で返答した。


「えー、そうなんですか?でもめっちゃ詳しそう‼︎」「私、明日職場の先輩の家でご飯食べるんですけど、その時に盛り上がれるようなゲームを探してるんですよ。よかったらおすすめ教えて貰えませんか?」
ぐいぐい来る女である。そもそも何故僕に聞いてくるんだ。店員に聞くだろ普通。


『へー、そうなんですね。大変ですね。何人ぐらい来るんですか?』
女性に対して免疫が無い僕は突然の出来事と非日常と女性が話しかけてきたことに戸惑いながらも、生まれ持った優しさが発動し、相談に乗ってなんとか解決してあげようと行動してしまった。


「たぶん5、6人だと思います。てか教えてくれるんですか?優しい‼︎」


『うーん、それだったらやっぱりおすすめコーナーにあるやつとかで良いんじゃないですか?カタンとか面白かったですよ』
今思えば、カタンなんかオススメするなよ。職場の先輩と後輩が集まってお酒飲んでカタンなんかしないだろ。酒飲んで飯くってカタンして盛り上がるわけないだろ。

 

ゲームを探している間、質問攻めだった。
・独身か否か
・職業
・生活圏内
・食事に誘ってもいいか
・お酒が飲めるか

 

僕がミサキの方を一切見ずに会話を進めるので
「ちゃんと見てくださいよ。私そんなに信用できない見た目してますか?」とこちらを見るように提示してくる。
なんだこの女、上手だ

 

最終的にパーティーゲームコーナーのゲームを通して結婚観や恋愛観を知れるという訳の分からんパーティーゲームを紹介した。


「ありがとうございます‼︎。これなら盛り上がれそう‼︎。そうだ、良かったら友達になってくれませんか。私田舎から出てきて友達がいないんです。LINE交換しませんか?」


『いや…知らない人には教えられません。大丈夫です、僕も友達少ないですけど、なんとかやっていけますよ』


「えー、友達いっぱいいそうじゃないですか。私ってそんなに信用できない見た目してますか?じゃあ自己紹介しますね。〇〇ミサキです。女性限定のエステで働いてます。私九州から出てきたんですよ、だから少し訛ってますよね」


『あそうなんですか、僕も福岡出身です。奇遇ですね。』


「えーそうなんですか、じゃあもう運命じゃないですか。これはもう交換するしかないですね」


もうめっちゃぐいぐい来る。さすがの僕もわかる。これはヤバいやつだ。詐欺か宗教か、高いツボを買わされるかだ。LINEを交換したら何かに悪用されるかもしれない。でも待てよ、今日はボードゲームを買いに来たんだ。とりあえずLINEを交換したら帰ってくれるかもしれない。解放してくれるかもしれない。


『わかりました。いいですよ。交換しましょう。どうやってやるんでしたっけ。』


「今度ご飯とか誘ってもいいですか?せっかく出会えたんですし、もっとお話ししたいです…」

 

とLINEを交換し終えた時

〈🎵〜🎵〜本日はご利用頂きまして誠にありがとうございます。まもなく閉店の時間です〉と放送が流れた。

 

22時だ。閉店だ。この女、閉店まで話しかけてきやがった。


「あっ、もう閉店ですね。22時だ。LINE交換してくださってありがとうございました。じゃまた連絡しますね」とミサキはさっそうと帰っていった。


そして、僕は閉店まで話しかけられ続けた結果、何も買うことができず帰った。

 

 

おそらくみなさんもそうだと思うが、家の中の自分と職場や学校での家の外での自分は別々に存在している。言い換えるのであれば、一人や家族、恋人といる時の素の自分と、職場や学校での作りあげられた自分がある。作り上げられた自分でいる時は、女性と話すことなんか屁のかっぱである。なんなら、学校も職場も女性の方が多く90%以上を占めているため話せないと生きていけない。素の自分、根っこの部分は、おどおどとしたインキャそのものである。イヤホンをして一人で買い物をしている時なんてまさしく素の自分状態である。そんな状態でいきなり女性に話しかけられたらインキャは動揺するしかない。


正直、買い物をしていて知らない女性に話しかけられることなんて初めてだった。これが逆ナンか…‼︎と思って少し嬉しくなったのは確かだ。


不思議な体験をしたなぁと、すぐに彼女、学生時代の友達グループに報告をした。

 

家に着き冷静になって考えた。


やっぱりおかしい。
おかしな点はいくつかある。

 

まず、ゲームを本気で探している様子が無かった。そしてお気づきだろうか。このミサキという女、結局ゲームを購入していないのだ。閉店まで僕に話しかけ、LINEを交換したあと、おすすめしたゲームを購入せずそのまま帰っているのである。おかしい、いやおかしすぎるかもしれません。ゲームを買わなかったら、翌日の夜の先輩たちとの飲み会に準備できないじゃないか‼︎

 

自分のことは自分がよくわかっている。顔は不細工だし、足は短いし、12時間働いてボロボロの状態だし、少なくともその場で声をかけないと二度と会えない、今話しかけないといけないと思わせるような人間ではない。逆ナンされるわけがない存在である。

 

調べてみると、ヨドバシカメラのゲームやプラモデル等のコーナーで、女性が話しかけてきて宗教の勧誘等をしてくる事例がいくつかあるらしい。女性に免疫がない純情な男性をターゲットにしている悪いやつらだ。


ミサキは何の勧誘もしてこなかった、しかしもし仮に、このミサキという女がなんらかの勧誘目的では無かったとしても、閉店まで話しかけ僕は何も買えずに帰っているわけだ。他人の都合をまったく考えられていない。人のことを思って行動できない奴なんて願い下げですのよ。

 

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 1年以上前、趣味がひとつ増えた。絵を描くことだ。

 

 2020年年明け、神戸にゴッホがやってきた。僕は、電車の中吊り広告や、ポスターで掲示してある美術品の展示は時間があれば行くようにしている。なぜかは分からないけど。大学生の時に行った正倉院展では、ピッカピカの和同開珎(わどうかいちん)を見た時は衝撃を受けた。教科書に載っているぼろっぼろのものしか見たことなかったから。

そんな出会いがあるからかもしれない。

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 とにかく僕はゴッホ展に行って、衝撃を受けたって話。力強さに圧倒された。美術の教科書や写真で見るだけでは伝わらない“力強さ”がそこにあった。ぜひ見てほしい、星月夜、糸杉らへんは圧巻である。僕は「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン肖像画」が好きだ、可愛い。ゴッホは自分に優しくしてくれた人間はもれなく肖像画を描いている。可愛い。ゴッホは上に兄弟がいるのだが、早くして亡くなってしまったらしい、そして両親はその亡くなった兄弟と同じ名前をゴッホに名付けた。そして物心ついたゴッホは自分の家の裏の墓石に自分と同じ名前が刻まれているのを見て、自分は何者なのか、死んでいるのではと考え出し、アイデンティティを喪失しその後のメンタル面に大きな影響を及ぼしたという話が好きだ(でもこの話は事実では無いと考えられているらしい)。


 そして、ゴッホに衝撃を受けた僕は、4月の誕生日に彼女の絵をプレゼントするのだ。iPadで書いて、油絵風に加工して配送してくれるサービスがあり利用した。結構高かった気がする。

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 僕は何故だか印象派にものすごく惹かれた。印象派の画集や特集されている雑誌などを買い漁った。なぜ印象派にこうも惹かれるのか、自分でもあまりわかっていなかったけど最近言語化できた気がする。


 まず、ざっくりとした絵画の変遷としては、洞窟絵などから始まり、ルネサンス写実主義印象派〜印象後期、表現〜抽象、現代みたいな感じだと思う。

 ルネサンス写実主義の時代は、とにかく背景や人物を正確に、綺麗に描くことが芸術だとされていた。しかし、僕は「いや写真で良くね?」と思ってしまう。写真というものが存在し、それ今や全人類がスマートフォンをかざすだけで見た景色を画像として保存できてしまう時代。そんな現代では正確に描くということは芸術では無いと感じてしまった。表現〜現代はメッセージ性が強すぎる、作者のエゴをビシビシ感じてしまう。作者の意図を汲み取れないこちらが悪、馬鹿であるかのような後味の悪さを感じる。印象派は写実と表現の狭間でちょうどよくスっと自分の中に入ってきた。単純に空間や光の表現、色使いを美しいと感じることができた。そんなことを言っているが、理屈なしに印象派を見たときにビビっと来た、恋みたいに。


 iPadで彼女の写真を書いて2ヶ月ぐらい、色々見たり読んだりしているうちに「描くか」とふと思った。

 

 僕はジョジョの奇妙な冒険第五部のプロシュート兄貴が好きだ。「『ブッ殺す』と心の中で思ったならッ!その時スデに行動は終わっているんだッ!」シビれる名言だ。

 

 思い立った次の日には道具を揃えて描き始めた。最初は母と一緒に行った動物園の絵を描いた。母にプレゼントしたら喜んでくれていた。

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 その後も色々と書いてみたが、絵の勉強をしてきたわけではないし、才能もない。そんな人間が上手に描けるはずがない。繊細に正確に描くことがどれほど難しいことか思い知らされた。

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 油絵を始めた理由はゴッホに影響されたからという理由ただひとつだが、やってみてわかったことがある。油絵は上書きができる。油絵は少し失敗してしまっても乾いたら上から塗りつぶして修正できる。これは初心者からすると嬉しいことだと思う。また、上書きができるため色を重ねていくことで深みが生まれる。乾くのに時間がかかるためゆっくりと進めることができ、じっくり趣味を楽しむことができる。

 そして油絵の最も好きなポイントは、絵の中に高低差を作ることができることだ。もしかしたら他の方法でも出せるのかもしれないけど。油絵は乾くとカチカチになる。水彩画等は平面だが、油絵は油の個体のままカチカチになるので、絵という2次元の中に3次元が生まれる。ゴッホの絵に衝撃を受けたあと、ゴッホのひまわりを間近で見る機会があったが、花びら1枚1枚が3次元化しておりおそらくそれが油絵が出す迫力の1つの正体なのではとおもっている。しかし、デメリットもでかい。絵の具を乾かさないといけないためスペースを取ってしまう。油絵具は取れにくいため部屋が汚れていく。コストがかかる。油絵のことしか考えられなくなる。

 

 初めて半年ぐらいして、自分の絵の下手さに落ち込み勝手にスランプになった。そこから表現方法を変えた。絵の具を塗るのではなく、置いて重ねるという方法だ。繊細な表現が必要ないため楽しかった。仕事場の先輩に見せて欲しいと言われから見せたら微妙な顔をされ、病んでるの?と言われた悲しかった、今でも思い出して腹が立つ。

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 別の先輩が結婚して職場を辞めることになった。絵を書いて欲しい、新居に飾るからと言われた。何言ってんねん、冗談言っちゃってと思っていたら1ヶ月後に「絵はどう?進んでる?」と聞かれた。マジだったんかい。超特急で書き始めた。先輩の出身である石川県を描こうと思った。完成はしたが、彼女以外の誰かのために描いたのは初めてだったから「よしこれで完成」「いやなんだこの下手な絵は修正」「よしこれで完成」「いやなんだこの下手な絵は修正」の繰り返しだった。しんどかった。だからもう考えるのをやめた。もうすでに先輩の手に渡っているのでどうしようもないが、今でも修正したい気持ちがずっと心臓の隅に居座っている。絵を渡したら、1万円分のアマゾンカードをくれた。自分の頑張りが直結して何かしらの見返りが返ってきたのは初めてだったからものすごく、めちゃくちゃ嬉しかった。家に飾ってくれていたら嬉しいなという気持ちと、もう捨ててくれいと言う気持ちが戦っている。

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 もらった1万でアクリル絵の具に挑戦してみた。遊びに使うのもなぁ〜と思って。先輩からもらった1万で新しいことをしてその絵をあげようかなとも思ったけど、キモいかな、もういらないかなと思ってやめた。アクリル絵の具は油絵具より扱いやすいけど、厚みと深さを出すのは難しかった。

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 僕には才能がない、そして才能がないことを楽しむ余裕もないのだ。

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トゥンカロン

少し前までトゥンカロンという食べ物にハマっていた。トゥンカロンとは、マカロンとほぼ同義。マカとロンの間にクリーム(?)のようなものがサンドしてあり、マカロンの約2倍のサイズだ。おそらくはっきりとした定義は無いかと思われる。


 韓国で流行っているスイーツらしい。彼女が韓国に興味を示しだしてからの出会いだった。今までの人生の中での出来事のせいもあり、あまり韓国には良いイメージは持っていない。もちろん、どんな人種であれ差別はよくないし、良い人がいるのもわかっていし、知っている。だけど、彼女があまりにも韓国アイドルをかっこいいというものだから大嫌いになってしまった。僕はかっこいいと言われるタイプではないし、人生で言われたことなんてないし、自分のことをかっこいいなんて思ってもないけれども、やっぱり嫌な気持ちだ。彼女が韓国アイドルを応援することで心が安らぎ、QOLが上がるなら好きにすればいいさ。そのくせ僕がアイドルを可愛いというと難色を示すのだ。どうかしてるぜ、上等だよ。僕は断固として戦っていくつもりだ。


 でも、美味しいものは美味しいのだ。写真は彼女が僕の誕生日にくれたトゥンカロン(マカロン)ケーキだ。おそらく、トゥンカロンの存在を知らない人も多いだろう。デパ地下では売っているところを見たことはないし、おそらく販売している場所は限定されているかと思われるがおすすめだ。カロリーは高いと思う。


 韓国アイドルとカロリーは敵だ。美味しいものは味方だ。

 

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結婚とプロポーズ

子供の頃なんとなく25歳には結婚したいなあと思っていた。

2021年4月11日、僕は今日25歳になった。

僕は迷っている。


今付き合っている彼女とはもう満4年付き合っている。今年で5年目だ。自分で言うのもなんだが、彼女は僕の事をすごく好いていると思う。愛されている。そんな実感がある。違ったらごめん。だけどその愛されている実感がすごく怖い。なぜそんなに愛を向けられているのか分からないし、その愛の熱がいつか冷めてしまうならいっそのこと熱いまま終わらせてしまいたくなる。

 

彼女は人生で男の人とお付き合いをするのは僕が初めてらしい。そんなわけないだろ、騙されているのではと思うが、根拠を挙げればキリがないがおそらく嘘ではない。


皆さまは「刷り込み」という言葉をご存知だろうか。簡単に説明すると、生まれたての子ガチョウは、親ガチョウのあとをついて歩くが、卵から生まれて初めて目にしたのが人間であった子ガチョウは、その人間を親だと思い込み人間のあとをついて歩く。というものである。


つまり、僕の彼女は初めてお付き合いした男性である僕を運命の人だと思い込んでいて、他の男性や選択肢が目に入っていないだけの状態ではないかと考えている。中学生や高校生が付き合い初めて、相手の事を旦那とか、一生大切にするとか言い出すような、精神年齢が低いような、将来のことや周りのことが見えてないような、うすら寒い感じだ。


だから僕は怖い。そんな一種の催眠状態がいつ解けてしまうのか。彼女がいろんな経験をしてその上で選んでくれていたら安心できるのに。


ネガティブだ。


つまり、僕は自分に自信がないだけなのだ。彼女を一番に幸せにできるだろうという自信。言ってしまうと一番に幸してやるぞ‼︎という気概も無いのかもしれない。そもそも人なんて勝手幸せになっていくものだと思っているけども。


と、思っていたのだけれども、最近はちょっと開き直ってきた。別に結婚なんて1回しかできないものじゃないし、僕も彼女も若いからいくらでもやり直せる。それに催眠だろうと洗脳だろうと、刷り込みだろうと、彼女も僕もそれで良いなら良いじゃないか。一生催眠状態を保ってやろうという意気込みなら、一生幸せにするという意気込みより気が楽である。


まずはプロポーズだ。

 

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素晴らしきジャイアントロボ

 僕の両親は共働きだった。だから学校終わりや、夏休みや冬休みはいつも1人だった。外に行って友達と遊んだりもしていたけど1番の親友はテレビだった。小学生高学年、夏休みは朝起きてラジオ体操に行って、朝ごはんを食べてテレビをつけて昼ごはんを食べてテレビを見ながら親の帰りを待っていた。確かあれはBSのNHKだったと思う。曖昧な記憶だし今もあるのか分からないけど10時ぐらいから夏休み子供アニメみたいな番組をやっていてそれ見るのが好きだった。その時放送されていたのが『ジャイアントロボ地球が静止する日』だった。衝撃的だった。面白すぎたのだ。このアニメ、とにかく敵が魅力的すぎるのだ。主人公の草間大作とジャイアントロボには一切魅力を感じなかった。敵が魅力的すぎるのと同時に強すぎて、これ…敵全部倒せるのか…?完結するのか…?と思っていた。その通りにこのアニメでは、ひと段落するところまでは描かれるが、最後までは描かれない。特に一番最初に僕が見た時は途中の話までしか放送されなかったから当時の僕は悶々とした。何年か前にブルーレイが発売された。今ではネットフリックスで見れる。

 

 ジャイアントロボは、横山光輝という作家の漫画をアニメにしたもので、出てくるキャラクターは横山光輝先生が書いた他の漫画の主要なキャラクターなのだ。小さいながらにテレビを見まくって漫画も読みまくってネットもそこそこやっていた僕少年は、ジャイアントロボに出てくるキャラクターがいろんな漫画のキャラクターであることは理解できていた。うまく言い表せないけど、色んな作品の有名なキャラが出てきて仲間になったり戦ったりするのってワクワクするよね。横山光輝先生の書いた作品はおそらく誰でも知っているもので、水滸伝、バビル2世、三国志鉄人28号魔法使いサリーなどなど。そしてその作品のキャラクターが登場するのだ。例えば味方(?)の国際警察機構の九大天王には、魔法使いサリーに出てくる大塚所長、水滸伝林冲などが出てくる。そして敵(?)のBF団(ビッグファイア)の最高幹部には三国志諸葛亮孔明、ロボットを作っているのは鉄人28号のブラック博士などが出てくる。特にBF団のボス、ビッグファイアはバベル2世の主人公バビル2世なのだ。別に元作品を知らなくても面白いが、知っているとより面白くなる。

 

 このアニメはネーミングがカッコ良すぎる。国際警察機構の支部長は“人間爆弾・静かなる中条”、BF団の皆大好き十傑集は、“混世魔王・樊瑞”、“衝撃のアルベルト”、“激動たるカワラザキ”、“命の鐘の十常寺”、“暮れなずむ幽鬼”、“眩惑のセルバンテス”、“直系の怒鬼”、“白昼の残月”、“素晴らしきヒィッツカラルド”。やっぱりカッコ良すぎる。

 

 特に僕が好きだったのはBF団十傑集の素晴らしきヒィッツカラルドだ。こいつの能力は“指パッチン”だ。指パッチンをすることで真空波を生み出しなんでもかんでも真っ二つにするのだ。カッコ良すぎるゼ…。味方がヒィッツカラルドにバッタバッタと真っ二つにされていく。かっこよさと憧れと同時に誰がコイツ倒すんだよと恐怖を感じた。最後は同じ十傑集であるマスクザレッドに簡単に倒されてしまう。震えた。あんなに強くてかっこいいヒィッツを倒すなんて…コイツはどんだけ強いんだよって。

 

 それから僕は嫌なやつがいたらコッソリそいつに向けて指パッチンをしていた。

 

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※フィクションデス